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“働く”と“休む”の境界線をゆるめるーオン・オフの切り替えを助ける空間設計の工夫
2025.12.08
リモートワークやフリーアドレスの普及により、「働く」と「休む」の境界線は以前よりずっとゆるやかになりました。
けれどその分、オンとオフの切り替えが難しくなったと感じる人も増えています。心理学では「ロール・トランジション(役割の切り替え)」という概念があり、空間や行動の変化が役割意識のスイッチになるとされています。
つまり、空間がその切り替えを助けてくれることで、心身の負荷を軽減できる可能性があるのです。
感覚のスイッチをつくる要素
人の脳は、感覚刺激によってモードを切り替えます。空間に「感覚のスイッチ」をちりばめることで、働く人のオン・オフの移行を自然に促すことができます。
たとえば:
- 照明の色温度:寒色系は集中を、暖色系はリラックスを促す
- 音環境:ホワイトノイズや自然音はストレス軽減に効果的
- 香り:柑橘系は覚醒、ウッド系は鎮静など、気分に作用
- 素材感:硬質な素材は緊張感を、柔らかい素材は安心感を与える
こうした要素は、空間の“気分スイッチ”として機能します。
「休む場所」があるオフィスの安心感
オフィスの中に、少しだけ“休む”ための場所があると、働く人の心理的余裕が生まれます。これは「マイクロ・レスト(短時間の休息)」という考え方にも通じていて、数分の休憩でも脳の疲労回復に効果があるとされています。
おすすめの工夫:
- 視線が遮られる小さなブース
- やわらかいソファやクッション素材
- 静かな音環境や自然音の導入
- 照明を落としたリフレッシュスペース
「ここにいてもいい」と思える場所があることで、働くことへの抵抗感が減り、自然な切り替えが可能になります。
行動のリズムを支える設計
人は、行動の変化によって気持ちを切り替えることがあります。環境心理学では「環境による行動誘導(behavioral nudging)」という考え方があり、空間の構造や素材が人の動きや気分に影響を与えるとされています。
空間が促す行動の例:
- 立ち寄る → 気分転換
- 座る → 集中モードへ
- 歩く → 思考の整理やリセット
- 素材の変化 → 感覚の切り替えを促す
空間が“動き”を促すことで、働く人の内側のモードも自然に変わっていくのです。
境界をゆるめることで、無理なく働ける
オンとオフをきっちり分けるのではなく、グラデーションのある変化を前提にした空間づくりが、働く人の持続性を支えます。
これは「コンティニュアム(連続性)」という設計思想にも通じていて、「今は少し休みたい」「そろそろ集中したい」といった気持ちに応えてくれる空間が、無理なく働ける日常をつくります。
働く人の気分やリズムに寄り添う空間づくりを、私たちBirthは大切にしています。
オンとオフの境界がゆるやかにつながることで、日々の働き方がもっと自然に、もっと心地よくなるはずです。
ご興味がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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