COLUMN
コラム
オフィス内装の新しい潮流-アップサイクルとサステナビリティ-
2024.06.06
現代の企業にとってのサステナビリティは、単なるトレンドというだけではなく企業価値を高める重要な要素になっています。中でもオフィスにおけるアップサイクルの取り組みは、環境への配慮に加え、企業のブランドイメージの向上にも寄与します。今回は”アップサイクル”と”サステナビリティ”に焦点を当て、事例やそのメリットについてご紹介します。
アップサイクルとは
不要になった素材や製品に新たな付加価値を持たせることで別の新しい製品に再生するプロセスです。「原料」に戻して資源として再利用するリサイクルとは異なり、アップサイクルでは「素材」をそのまま活かすため、素材自体の品質や価値が向上するという特徴を持ち合わせています。また、リサイクルでは原料に戻すまでの過程に様々なエネルギーが加わりますが、アップサイクルではその工程が不要となるため、地球への負荷を抑えることができます。さらに別の製品としてまた長く使うことができるので、リサイクルよりもサステナブルであるということができます。
〈対義語〉ダウンサイクルとは?
破棄されるものを原料や別の素材として再利用することで、元のものよりも価値を下げて利用される。別名「カスケードリサイクル」とも言われ、不要になった衣服を雑巾として再利用したり、壊れた自転車やパソコンなどの部品だけを取り出して使用したりすることが例として挙げられます。
アップサイクルの実践例
- 廃材を使ったデスク: 製造過程で生じた木材の廃材を利用したため、ユニークなデザインと温かみのある風合いが特徴となり、社員からも高い評価を得ています。
- 古い家具の再利用:使われなくなった古い家具をリメイクし新しいデザインの家具として再利用することで、コスト削減と資源の有効活用を実現しています。
- 廃プラスチックからできたタイル:オフィスの床材に使用することで持続可能性を取り入れました。これにより、美しいデザインと環境への配慮を両立できます。
サステナビリティとは
環境や経済等に配慮した活動を行うことで、社会全体を長期的に持続させようという考え方で、持続可能性という意味を持ちます。企業活動においては「環境保護」「経済開発」「社会開発」の3つの観点に基づく取り組みが重要とされており、その中で、2030年までにより良い世界の実現を目指すために国際社会の共通目標とされているものがSDGs(Sustainable Development Goals・ 持続可能な開発目標)となります。サステナビリティに期間は設定されておらず、長期的な取り組みが求められるものとなっています。
サステナブルな設計のメリット
サステナブルな設計が企業にもたらすメリットは多岐にわたります。
- 環境負荷の軽減:廃材や不要品を再利用することで、廃棄物の削減と資源の節約が可能になります。これにより環境負荷が軽減され、持続可能な社会の実現に貢献します。
- コスト削減:素材をなるべく活かすので、 新しい素材を購入するコストを削減することができます。また長期的に見ると、エネルギー効率の向上やメンテナンスコストの低減にもつながります。
- ブランドイメージの向上: サステナビリティへの取り組みが見られる企業として評価が高まり、顧客や投資家からの信頼を得ることができます。これにより企業のブランド価値が向上し、競争力が強化されます。
- 社員のモチベーション向上: 環境に配慮したオフィスは、社員の満足度やモチベーションを向上させます。社員が自社のサステナブルな取り組みに誇りを持つことで、企業全体のエンゲージメントが高まります。
まとめ
オフィスにアップサイクルとサステナビリティを取り入れることは、環境への配慮と企業価値の向上を両立させる効果的なアプローチです。これからのオフィス設計において、廃材の再利用やサステナブル素材の活用を積極的に行ってみてはいかがでしょうか。私たちの未来のために、今できることから始めてみましょう。