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カーボンニュートラルとは?オフィスに取り入れる際のメリットデメリット
2024.07.23
「カーボンニュートラル」という言葉、誰しもニュース番組で耳にしたことがあるのではないでしょうか。昨今、世界中で取り組むべき課題として注目されています。そこで今回は、カーボンニュートラルの基礎知識と取り組む際のメリットデメリットについてご紹介します。
カーボンニュートラルとは。脱炭素化との違いは?
「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。均衡させるためには「①温室効果ガスの排出量を抑える」と「②温室効果ガスの吸収量を増やす・温室効果ガスを除去する」の双方からアプローチしていく必要があります。
ここで、意外と同じ意味だと勘違いしやすい「脱炭素化」についてですが、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量をゼロに抑えることを意味しています。つまり、カーボンニュートラルに取り組むことでその先にある脱炭素化の実現に近づくことができるのです。
今カーボンニュートラルが求められる理由
カーボンニュートラルが強く求められる背景には地球温暖化が深く関係しています。
2015年に地球温暖化対策における基本方針としてパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げています。この目標を達成するために各国で積極的な取り組みが求められ、カーボンニュートラルに取り組んでいるのです。
また、ESG投資*)やSDGsの広まりも、カーボンニュートラルへの取り組みが求められる理由の一つです。
*)Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を合わせたもので、カーボンニュートラルへの取り組みを行っている企業に対し、機関投資家や銀行、個人などが投融資によって取り組みを支援するもの。
オフィス空間×カーボンニュートラルのメリット
オフィス空間にカーボンニュートラル取り入れるメリットは大きく分けて3つあります。
①企業のイメージアップにつながる
企業として環境問題の解決につながる取り組みを積極的に推進し、それを発信していくことで企業のイメージアップにつながります。顧客や企業に対しても良い印象を与え、認知が上がることで人材採用の面でもプラスになります。
②コストの削減につながる
カーボンニュートラルへ積極的に取り組むことは、企業全体のエネルギーコストの削減につながります。具体的には以下のような対策が挙げられます。
・自然光を取り入れる
・J-クレジット制度を取り入れる
・業務効率化ツールの導入やテレワークの推進により光熱費を抑える …etc
③補助金制度がある
カーボンニュートラルを取り組むにあたって利用できる補助金制度があります。
ものづくり補助金(グリーン枠)
経済産業省が管轄する中小企業庁による補助金。温室効果ガスの排出量削減と脱炭素化に向けた生産性向上に貢献する、設備投資の導入などを支援しています。
概要▼
対象:付加価値額や炭素生産性などの要件を満たす3~5年の事業計画を策定している
補助額(スタンダード類型):5人以下は1,000万円、6~20人は1,500万円、21人以下は2,000万円未満
補助率:2/3以内
URL:https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
既存建築物省エネ化推進事業
既存建築物省エネ化推進事業では、 オフィスビルなどの省エネルギー改修を支援する補助金を提供している。 省エネルギー化だけでなく、バリアフリー改修も対象としています。
概要▼
対象:既存のオフィスビル等の建築物の改修
補助額:5,000万円/件(設備改修に係る補助限度額は2,500万円まで)
補助率:1/3
URL: https://hyoka-jimu.jp/kaishu/
※補助金は基本的に後払いなので、活用する際には注意が必要
オフィス空間×カーボンニュートラルのデメリット
カーボンニュートラルをオフィスに取り入れると、デメリットも出てきます。
初期費用、維持費が高い
カーボンニュートラルの実現のためには、再生可能エネルギーの導入やオフィスの全面的な改装など大規模な投資が必要です。特に既存の施設や設備に対して改修や改良が必要な場合は、ゼロから始めるよりも費用が高くなってしまう場合もあります。
推進人材の確保が困難
カーボンニュートラルをオフィスに取り入れるには、方針の検討や省エネ対策の洗い出しなど多くのステップがあり、専門知識や各部署との調整力、会社全体を巻き込んだ実行力が求められます。
まとめ
環境問題への意識の高まりは企業へポジティブな影響を与えます。カーボンニュートラル実現への取り組みを積極的に行うことが地球環境を守り、さらには企業イメージの向上にもつながります。”Birth”では、カーボンニュートラルを取り入れたオフィスの空間提案を行っています。設計施工からアフターフォローまでトータルプロデュースを行い、お客様に寄り添った空間提案をしています。ちょっと気になる、もう少し具体的に知りたいなど、まずは気軽にご相談ください!
参考文献
環境省.脱炭素ポータル.”カーボンニュートラルとは”. https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/#to-what . (参照2024-07-08)
東京海上日動.GXを理解する.”カーボンニュートラルとは?背景や各国目標について”. https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/gx/know/detail02.html .(参照2024-07-10)