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「固定席ゼロ」オフィスで社員は本当に自由になれたのか?―フリーアドレスの理想と現実を見つめ直す

2025.06.30

「固定席ゼロ」オフィスで社員は本当に自由になれたのか?―フリーアドレスの理想と現実を見つめ直す

会議室の予約がいらない。デスクに名札もない。 荷物はロッカーへ、ノートパソコンひとつでオフィスを移動する。

そんな“固定席ゼロ”=フリーアドレス型のオフィスが、一時期「次世代の働き方」として注目を集めました。 柔軟性、生産性、コミュニケーションの活性化──期待された効果は多岐にわたります。

ですが、実際にその空間に身を置いたとき、社員が本当に「自由」を感じられているかどうかは、また別の話です。

フリーアドレスがもたらした「自由」と「不安」

確かに、好きな席で働けるのは魅力的です。 気分に合わせて窓際を選んだり、チームと近い席に座ったりと、“選べる働き方”が叶うのはフリーアドレスならでは。

しかし導入後、こんな声も増えてきました:

  • 「毎日、席取り合戦みたいで疲れる」
  • 「周囲が変わるから集中しにくい」
  • 「“自分の席”がないことで帰属意識が薄れた」

自由の裏にある“決まらなさ”が、ストレスにつながることもあるのです。

「ルールなき自由」は不自由になり得る

ここで私たちオフィスリノベーション会社が重視しているのは、「物理的な固定席の撤廃」=「完全自由」ではない、という視点です。

むしろ、空間にちょっとした“意図”や“場の性格”を持たせることが、働く人の自由を支える要素になると考えています。たとえば:

  • 集中用ブース / 静音エリア  → “ここでは集中してOK”という場所の明示
  • チームごとのゾーニング(ゆるやかな席の傾向)  → 物理的な縛りはないが、心理的な安心感を得られる構成
  • 「今日はここを使う」と可視化できるサイン設計  → 荷物の置き場所や席の譲り合いがスムーズに

こうした“自由を使いこなせる設計”こそが、空間に求められているのです。

自由の先にある「定まる感覚」

面白いことに、完全に席が決まっていない環境でも、人は自然と「自分の好きな場所」に集まり始めます。

  • 午前中は静かな場所で集中
  • 昼は共用スペースで雑談
  • 午後はチームの近くで作業

このように空間を“使いこなせる感覚”が芽生えると、社員の中に「自分で働き方を選べている」という納得感が生まれるのです。

それは、見た目の自由よりずっと深く、働きやすさや満足度につながる自由といえるかもしれません。

まとめ:自由とは「設計」されるもの

“固定席ゼロ”とは、単に椅子を減らすことではなく、働く人の意思を受け止められる空間設計の挑戦です。 「どこでもいい」は意外に難しい。だからこそ、“どこでもいい”を“どこでも働ける”に変える工夫が必要になります。

次のリノベーションでは、「自由」と「安心」が両立するオフィス、考えてみませんか?


 

Birthは、働く人の毎日を支える空間を、ていねいに一緒に考えていきます。ご相談・お見積もりは無料です。まずは、お気軽にお話ししませんか?