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壁を壊して風通しを良くしたら、実際に社内の風通しも良くなった話
2025.08.18
「この壁、なくしてもいいと思うんです」
ある日、リノベーションの打ち合わせで、クライアントの担当者がつぶやいたひと言。 フロア中央に鎮座するパーティション。部署ごとに明確に分かれていた空間でした。
私たちはその時、壁の向こう側を確認しながら、こう思ったのです。 「この壁を壊したら、チームの空気も変わるかもしれない」と。
空間にあった“目に見えない壁”
その企業では、部署間の会話が少なく、業務も縦割りに近い状態。 隣の島に誰がいるのか、実はよく知らない。 ちょっとした相談もメールで済ませてしまう。
その背景には、「自分のテリトリー」を守るように配置された壁がありました。 誰がその場所に決めたかはもはや不明――でも、その壁が人間関係にも影響していたことは間違いありません。
リノベーションで「視界」が変わると、行動も変わる
思い切って壁を取り払い、中央にオープンなカフェスペースを配置しました。 部署をまたいで使える長テーブル、立ち話がしやすいハイカウンター、グリーンを添えた柔らかな照明。
すると驚くことに、朝のコーヒーをきっかけに会話が自然と生まれるようになったのです。 それは業務連絡でも、雑談でもなく――“なんとなく声をかけやすくなった”という変化でした。
ある社員はこう言いました。 「壁がなくなって、話しかけるのに“ドアをノックする勇気”がいらなくなった」
空間が、組織文化をゆるやかに変える
壁を壊したことによって、物理的に風が通りやすくなったのはもちろんのこと、 情報・感情・アイデアが行き来する“風通しの良い職場”に変化した、という実感がありました。
定例会議では出てこなかったアイデアが、ランチ帰りのひと言から始まり、 部署横断のプロジェクトが立ち上がったケースも。
人は「見えている場所」なら、足を踏み出しやすくなります。 オフィスという空間は、そうした“ふるまいの心理設計”にも関わっているのです。
まとめ:まずは1枚、壁をなくしてみる
すべてをオープンにする必要はありません。 でももし、今の空間が「静かすぎる」「話しかけづらい」と感じているなら―― まずは1枚、壁をなくしてみる。 それが、組織全体の風通しを変える第一歩になるかもしれません。
次のリノベでは、「図面の壁」ではなく、「気持ちの壁」に目を向けてみませんか?
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