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オフィスリニューアル費用は、内装費ですか。広報費ですか。
2026.07.27
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企業イメージを高めたい。採用の応募を増やしたい。自社の考え方や仕事の面白さを、もっと多くの人に知ってほしい。
そう考えたとき、多くの企業がまず検討するのは、ウェブサイトのリニューアル、ウェブ広告、会社案内、採用動画あたりではないでしょうか。これらには、広報費や採用費として予算がつきます。
一方でオフィスの改装は、古くなった内装や設備を更新するための「施設費」として扱われることが少なくありません。
けれど、私たちはこう考えています。
オフィスは、企業がもっとも長く使い、もっとも多くの人が体験する、自社メディアである。
「これからの約束」と、「果たされている約束」
いまは、AIを使って文章も画像も動画もつくれる時代です。専門的な技術がなくても、整ったウェブサイトやイメージ画像を用意できるようになりました。私たち自身、計画段階のイメージを可視化する手段としてAIを日常的に使っています。
これは情報発信にとって、間違いなく大きな可能性です。
同時に、整ったイメージが世の中に増えるほど、見る側にはこんな視点が生まれてきます。「これは、この会社で本当に行われていることなのか」。
ウェブサイトやパースが伝えるのは、これから起こることの約束です。 オフィスが伝えるのは、その約束が、毎日果たされている状態です。
採用サイトに書かれた言葉ではなく、実際の社員の様子。理念を説明する文章ではなく、社員同士の距離感や、来訪者への向き合い方。完成予想図ではなく、日々使われて、人の行動が表れている場所。
置き換えのきかない「実在する会社の姿」は、これまで以上に価値を持つようになると考えています。
理念は、掲げた瞬間ではなく、環境の中で証明される
企業理念やブランドメッセージは、ウェブサイトにも会社案内にも掲載できます。けれど、その会社が本当に何を大切にしているかは、働く環境のほうに表れます。
「コミュニケーションを大切にする会社」と掲げていても、社員が気軽に立ち話できる場所がなければ、その言葉は行動になりません。
「新しい発想を大切にする会社」なら、一人で集中する場所と同じくらい、偶然の会話や短い打ち合わせが生まれる余白が要ります。
「環境への配慮」を掲げるなら、既存家具や自社の廃材を内装に生かすこと自体が、その会社らしい表現になります。
「社員を大切にする会社」なら、照明、音、温熱、休憩できる場所、姿勢の選択肢。毎日の小さな体験のすべてに、その考え方を反映できます。
オフィスは、言葉で掲げた理念を、社員の行動と来訪者の体験に変換できる、ほとんど唯一の場所です。
オフィスは、来訪されたお客様に会社の文化と社員の人柄を伝える舞台
会社案内も、ウェブサイトも、伝えられるのは「会社が伝えたいこと」です。
来訪されたお客様が受け取っているのは、それとは別のものです。
受付での迎えられ方。通路ですれ違った社員の表情と挨拶。会議室に何が置かれているか。執務室から聞こえてくる声の様子。案内されながら見えた、働いている人たちの姿。
商談が始まる前の数分間に、その会社の文化と、そこで働く人の人柄は、もう伝わっています。 そしてそれは、あとから言葉で修正できるものではありません。
だからこそ、オフィスは舞台になり得ます。
自社の製品や手がけてきた仕事を、通路に並べる。創業からの歩みを、会議室にたどり着くまでの動線に置く。応接室にお客様を閉じ込めるのではなく、社員が働く風景の中を通って会議室へご案内する。壁で仕切ってしまえば見えなかったはずの社員の姿が、「この会社は、こういう人たちが働いている会社です」という、何よりの説明になります。
ここで大切なのは、演出ではなく編集だと考えています。

普段と違う姿を見せるための空間をつくっても、続きません。すでにその会社にある文化と、そこにいる人たちの良さを、来訪者の視線が通る場所へ配置し直す。それがオフィスにおける演出の中身です。
言葉で語り始める前に、環境が語ってくれている。この状態をつくれると、営業も、採用も、社員が自分の会社を人に紹介するときも、驚くほど楽になります。
費用の見え方が変わる、ひとつの計算
ウェブサイトを訪れた人が滞在するのは、長くても数分です。
オフィスはどうでしょうか。1日8時間、年間240日と考えれば、社員一人あたり年に1,900時間前後。それが社員数のぶんだけ積み上がり、一度つくれば10年前後使われます。
そのうえ、そこで生まれた風景は、そのまま発信の素材になります。
- 実際に働く社員の写真や動画
- 採用サイトのオフィス紹介
- 会社案内や営業資料
- SNS、社内報
- オフィスツアー、会社説明会
- 来客時の体験
- 社員自身が、自分の会社を人に話すときのエピソード
完成写真だけでなく、社員がその場所をどう使っているかまで見せられると、「この会社で働く姿」が具体的に伝わります。
採用候補者がオフィスを訪れたとき、ウェブサイトで見た場所で社員が自然に話していれば、掲載された言葉と実際の会社がつながる。お客様が来訪したとき、受付や会議室に自社の製品や歴史、仕事の背景が表現されていれば、説明を始める前から理解が生まれる。
オフィスは、一度出して終わる広告ではなく、社員の体験と社外への発信を生み続ける基盤になり得ます。
ウェブサイトか、オフィスか、ではありません
どちらか一方を選ぶ話ではありません。
ウェブサイトは、多くの人に会社を知ってもらう入口です。オフィスは、そこで伝えた考え方を実際に体験できる場所です。大切なのは、この二つを別々に考えず、同じ「自社らしさ」を伝えるものとして連動させることです。
改装を計画する段階で、
- 会社として、何を大切にしているのか
- 社員に、どんな働き方をしてほしいのか
- 採用候補者や来訪者に、何を感じてほしいのか
- どの場面を、写真や動画で伝えたいのか
ここまで考えておくと、完成後の発信につなげやすくなります。
順序を間違えないことです。ウェブサイトに載せるための空間をつくるのではなく、社員にとって本当に意味のある環境をつくり、その実際の姿を発信していく。
PRにつながるオフィスにするために
高価な素材を使い、目立つデザインにすれば企業イメージが伝わる、というものではありません。まず必要なのは、「自社らしさとは何か」を整理することです。
1. 自社の特徴を、どこで体験してもらうか 受付、会議室、執務スペース、リフレッシュスペース。社員に伝えたいのか、来訪者に伝えたいのかで、表現する場所が変わります。
2. 見た目ではなく、行動につながっているか 「交流」を表現するなら、実際に人が立ち寄り、話し出せる場所になっているか。「働きやすさ」を伝えるなら、集中・相談・休憩を選べる環境になっているか。
3. その会社にしかない物語があるか 自社製品、創業からの歴史、地域との関係、社員の活動、廃材のアップサイクル。その会社でなければ生まれない要素は、社員にも来訪者にも語れるストーリーになります。
4. 完成後にどう伝えるかまで、計画に入れる 完成写真だけでなく、使われている様子と社員の声を記録し、採用・営業・広報へ展開する。空間づくりと情報発信をつないだ時点で、投資の意味が変わります。
「会社の実像」をつくるということ
私たちは名古屋で60年以上、店舗、オフィス、住宅と、人が過ごす場所をつくってきました。
その経験から言えるのは、いい空間は「きれいな空間」とは限らない、ということです。いい空間とは、そこにいる人の行動が変わる空間です。
オフィスリニューアルは、壁や床や家具を新しくすることだけではありません。そこで働く人の行動を変え、会社が大切にしていることを、毎日の風景として立ち上げる機会です。
これからの企業発信では、「どう見せるか」と同じくらい、「実際にどんな会社なのか」が問われます。
オフィスは、その実像を形にできる場所のひとつではないでしょうか。
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